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みんな幸せ
若者の物語だったんだ。
2011年08月27日 (土) | 編集 |
アルジェ新公で、ハッとした。
これは、勢いのままに生きてしまった若者の物語だったんだ。


サビーヌにキスしたジュリアンが、子供のような幼い顔になっていた。
憑き物の落ちたような、純粋なひたむきな顔。
あのジュリアンなら、すべてを捨ててサビーヌと生きて行こうとする、そのことに納得できる。

サビーヌのキスは、ジュリアンの禊だったんだな。



プロローグ。
すちゃっ、とサングラスを外すゆりやくんは、生意気そうに目を細め、顎を上げ。
いかにも田舎でちょっとイキがってる若者みたいな。
「このあたり限定で」ちょっとした顔…という、ジュリアンの役柄にぴったり。
生来の育ちが良さそうなところもあって、そこにボランジュは目をつけたんだと思える。

パリに出てからのゆりやくんのジュリアンは、ギラギラ上昇志向にあふれていて。
お坊ちゃま然とした姿の中に、黒い炎が見えるようだった。

アルジェでの過去は、捨ててきた。
生意気な小娘エリザベートは気に入らないから、屈服させる。
後ろ盾の強いアナ・ベルは利用価値があるから、依存させる。

サビーヌと再会してからも、あの事があるまでは、過去の女だ。
わかりやすかったと、思う。



パリでのサビーヌちゃぴがかわいくて!
けなげで、一生懸命生きている。
ジュリアンに置いていかれたのが寂しくて寂しくて、周りに仲間はいたはずなのに、目に入らなくて。
その隙間にうまく忍び込んできたジャックに懐柔され、唆されてパリに来てしまった。
ちゃぴちゃんの少女のような軽やかさだと、サビーヌの重たさが気にならない。
本当は、一緒にパリに行きたかったんだよね。

大人になったサビーヌは、びっくりするような髪型になっていた。
おお、ファッションの都パリはどこへ…(それ作品違う)

心は少女のままだったサビーヌには、ジュリアンはたった一人の特別な人。
だから、汚されるのは許せなかった。
あのラストに到達するのにも、説得力があると思った。

◆ ◆ ◆ 

娘役になった、ちゃぴちゃん。
スカートになると、足をあげる振付がすごく気持よく、より舞台に映える。
パンツだと、やはりある程度動きが制限されるというか、質が変わるんだなぁ。

まだ娘役になったばかりで、これだけ出来ればいいと思うけれど。
月娘好きなづみこは、転向組ばかり持ち上げられる現状にはちょっとしょんぼり。
うまいなぁ悔しいなぁ、と思えるように、表情の作り方とか、もっと研究してほしいです。
これからの月娘にも、光があたりますように。
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一旗揚げるんだ、って。
2011年08月23日 (火) | 編集 |
今年の夏は、あつかったー!
博多座で星の役替わり見て、大劇場で月組見て、東京で宙組見て。
1週間に詰め込んで、あっつい夏を過ごしました。


そのなかの、アルジェの男。
新人公演と本公演との対比が、つくづく面白かった…!

なので、とりあえず本公演中心付近の人物メモ。

◆ ◆ ◆

いまの霧矢さんは、円熟味があるというか、いい年したおっさんを演じてこそだと思ってる。
そこに並ぶまりもは、寄り添うというよりも、自分の足で地を駆けていくような女が似合う。

その二人でアルジェを見ると。
なぜか小銭稼ぎのチンピラやってるおっさん(頭がイイからまとめ役してる)と、
なぜかそれに惚れちゃった真っ当な女(仕事がダンサーだから軽く見られちゃう)に見える。

アルジェのまりもサビーヌは輝いてる、と思う。
ジュリアンと別れても、アルジェで幸せな人生を歩んでいけると思うんだ。
円満に別れてるよねぇ、あのふたり。

まりもサビーヌは、パリでもそれなりにうまいことやってきたはず。
サビーヌに、「アルジェで一人ぼっちで…!」と、よよよ、と泣き崩れられると、なんか。
違和感しか感じなくて。
まりもの光はまっすぐ、輝いているのに。
お荷物でしかないジャックに、よっぽど苦しめられたんだろうと思うもの。

なんでパリに来ちゃったんだろう、この女。って、思った。

きりやんのジュリアンは、年齢がよくわかんない。
アルジェにいるときに、もうそこそこの年に見える…
書記官仲間が基本若いのがいけないんかなぁ。
一人どっしり落ち着いていて、浮ついたことをしそうに見えないんだ。

サビーヌのことも、エリザベートやアナ・ベルのことも、興味ないっていうか。
ボランジュに食いついて、彼のやり方で一旗揚げるんだ。真っ当に。

そんな感じの、おっさんに見える。

アルジェでわかれ、別の道を歩き出した二人。
そのままいけば、それなりに幸せな人生が待っていたはず。
だって、いい年した大人だもん。


歯車を狂わせたのは、ジャックだ。


あんたがサビーヌをパリへ連れてこなければ。
あんたがサビーヌの楽屋へ入り浸ったりしなければ。
あんたがジュリアンのこと、こんなに好きじゃなければ…!

あんなことにはならなかったのにね、おにいちゃん。

まさおジャックがべらんめぇなセリフを言うたび、腹筋がぷるぷるします。
屈折した役をやると、役のベクトルがどんどん面白い方向へいく。
そして、こゆくて、ギラギラしてて、粘っこい、ジャックの性格になる。

みりおアンリがあんなに他と絡まないとは思わなかった。
ふわふわしたお嬢様みくちゃんは、初めての恋に破れて身を投げる。
それを引き止めるでもなく、ただ見ているしかできない男。
最後にあんな役割をさせるのなら、もっと印象づけるほうがいいと思うんだけどな。


◆ ◆ ◆


プロローグのウェスト・サイド・ストーリー的な始まり方はわくわくする。
なかでも朝美絢くんが、ちょう悪い顔しててときめいた。
女の子の服装も、ちょっと広がったスカートが可愛くて可愛くて。

書記官仲間はなんてことない役割だけど、若手育成にはいいよねあんなの。
(ショーの月色男子といい、若手には銀橋でアピらせてなんぼだと思う)
思わず「それがパリ~♪」って歌いたくなる、あの軽さ。
重い芝居の中で、息抜きができる場面。


古い作品だよね、とは思う。
自立できるだけのスキルがある女が、あんな重たい生き方するのは似合わない。

だとしても。
いいな、いいな、と思える部分がたくさんある芝居だった。
それをより強く感じたのが新公だったので、なんか、もにょっとしたよ。